2009年10月23日金曜日

ARCHITECTURE AFTER 1995展

ようやくネット上で概要が発表されたので、ご案内します。


大阪で大きな建築展があります。

僕の通う学校でシンポジウムもあります。

これまでにない新しい試みもあります。


興味のある方は、是非ご来場ください。

僕もスタッフとして参加させてもらう予定です。

楽しみです。


展覧会「ARCHITECTURE AFTER 1995」展
日時:2009年11月6日(金) - 17日(火) 12:00-20:00(6日は12:00-18:00)
会場:AD&A gallery(肥後橋)
主催:建築展実行委員会
特別協賛:大阪工業技術専門学校(天満橋)
後援:AD&A gallery
キュレーション:TEAM ROUNDABOUT
オープニング:2009年11月6日(金) 21:30- (AD&A gallery)

テーマ:「1995年以後」の都市状況から、新たな建築家の役割を考える
趣 旨:阪神大震災、オウム真理教事件によって既存の都市インフラの脆弱性が露呈し、「windows95」が発売され、「インターネット元年」と呼ばれて 新しい情報インフラの可能性が顕在化した「1995年」以後、現代の社会は一方で情報技術への依存を強め、他方で風景の固有性を失いつつあります。他方、 設計技術の情報化は設計プロセスのあり方を変え、新たな建築表現の可能性を示唆しています。そこで本展覧会では、同年以後に活動を展開する次世代の建築家 に注目し、現代社会における建築家の役割と可能性を考える機会とします。

出展建築家
乾久美子 梅林克 垣内光司 木村松本 SPACESPACE dot architects 中山英之 中村竜治 藤村龍至 藤本壮介 松岡聡田村裕希 満田衛資 宮本佳明 森田一弥 吉村靖孝


関連企画:ワークショップ
期間:2009年11月7日(土)-8日(日) 9:00-17:30
概要:学生チームにより「1995年以後の住宅」の模型300個を制作します。制作された模型は「ARCHITECTURE AFTER 1995」展1階会場に展示され、模型制作を通じて展覧会のキュレーションのプロセスに参加して頂きます。

参加申込方法:大阪工業技術専門学校までお問い合わせ下さい


キックオフ・ミーティング「『1995年以後』を考える」
日時:2009年11月6日(金)19:00-21:00
会場:大阪工業技術専門学校
パネリスト:鈴木謙介 藤村龍至
概要:「1995年」とは、どんな転機であったのか。社会学者と建築家の対談を通じて、展覧会の趣旨を伝えると同時に、ワークショップのイントロダクションとします。


シンポジウムA「『2000年以後』を考える」
日時:2009年11月8日(日)19:00-21:00
会場:大阪工業技術専門学校
プレゼンテータ:垣内光司 木村松本 SPACESPACE dot architects
パネリスト:五十嵐太郎
モデレータ:TEAM ROUNDABOUT
概 要:「1995年以後」のコンテクストは、現代の建築家の実践にどのような影響を与え、どのように次の時代へと引き継ぐことができるか。ここでは、 2000年に東京・ギャラリー間で行われた「空間から状況へ」展を監修した五十嵐太郎氏を迎え、「2000年以後」のコンテクストについて討議を行いま す。


シンポジウムB「『2010年以後』を考える」
日時:2009年11月14日(土)17:00-20:00
会場:大阪工業技術専門学校
パネリスト:梅林克 中山英之 宮本佳明
モデレータ:TEAM ROUNDABOUT
概要:展覧会を通じて生まれた議論の総括として、「空間から状況へ」展に出展していた建築家、および本展出展作家を迎え、「2010年以後」の展望について、世代を超えた討議を行います。


2009年10月20日火曜日

Book 19


「ポスターを盗んでください+3」(原 研哉 著)


僕の好きなデザイナーの一人、原研哉氏の著書。

デザイナーがどのような気持ちで仕事に向きあっているのか、日ごろの出来事に対してどんな風に感じているのかが良く分かる一冊。

興味深く読むことができた。

なぜか、時間をかけてゆっくりと読んでいる自分がいた。


ここで面白かった一節を。

「誰かが鮮やかな手際で褒められた場合、褒められた側よりも褒める側の方が立派に見える。褒める側の余裕、褒めるべき内容を巧みに掘り起こす優れた着眼、そして何よりも他者を立てるために一歩退いたそのスタンスがおのずと褒める側の人格を高めて見せるのだろう。」

まさにその通り。

日頃、何となく感じてはいるけれど、その事についてきちんと考えたり、分析していない事がある。

きっと、その数はものすごい。

デザイナーの人は、その事に気づく事が他の人よりも多いのではないだろうか。

気付けるという事。

アンテナを張っているという事。

すごく大事なことだと思う。

you and i


2009年10月10日土曜日

「伝える」ということ

最近、人に「伝える」ということの難しさを感じています。

逆にそれは、人に伝える事を意識するようになったからでありますが。

このブログも人に自分の考えを伝える事のひとつでしょう。


僕が人に考えを伝える時に注意している事は、「知識の見せびらかし」にならないようにする事です。

別の言い方をすれば、相手によって言葉を選ぶようにしています。

よくありがちなのが、その業界の人に対してするプレゼンを素人に対して全く同じ内容でやってしまう。

それで素人である人が興味を抱き、自発的に勉強してくれれば問題はないでしょう。

しかし、多くの場合は、「専門用語が分からない」「謎の横文字が多すぎる」といった事が原因となり、興味がなくなってしまいます。


今所属しているゼミでは自由にディスカッションする事になっているのですが、上記の事がどうしても気になってしまう僕は、どーしてもまずミンナがどんな知識をどれくらい持っているのかを、まず観察してしまうのです。

それに今日の授業全てを費やしてしまったといっても過言ではありませんが。

まだまだミンナ自分を前に出せていない感じで、それぞれが持っている考え方が見えてきませんでした。(僕もその内の一人ですが。。)


今日の結果からいうと、ちょっと不毛な議論(話し合い)の時間だったように思います。

一見内容のない話の中に、意外なヒントがある事は充分承知しています。

でも、そういう内容は別の時間(例えば飲み会)で出来るわけです。

ゼミという、学生にっとては議論出来る場では、やはりある程度密度の濃い話し合いがしたいと思ったりします。

その為には、やはりいきなり自由に議論するというのではなく、初めは何らかのテーマを設定して議論するのが良いのではないかと感じました。

そうすれば、その場にいる人たちがどの程度の知識を持ち、どういう背景を持って、どういう考え方をしているのかが見えてくると思います。

そういう事を知っていければ、相手の事を理解しながら、議論を深めていけるような気がします。


しかし、実際の社会では、初対面の人にどれだけ自分の考えを伝えられるかが勝負なわけです。

初対面でお互いが自分の考えを明解に伝える事が出来れば、議論もスムーズに深くなっていくでしょう。

その為には、日頃から自分が何に問題意識を持ち、それに対してどういう提案・解答を導きだそうとしているのかを、十分検討しておく事が必要だと思います。

それが出来ていない僕は、今日のゼミの時間中、終始自分の考えの整理と人間観察になってしまったわけです。

次回はそうならないように、思考&整理を続けようと思っています。

2009年10月7日水曜日

Book 18


「環境ノイズを読み、風景をつくる。」(宮本佳明 著)

先月のアーキフォーラムで宮本さんのレクチャーを聴いて、宮本さんの考えに興味を持った。

「基礎が建築となるような、土木と建築の間のような建築を考えている」

とおっしゃっていたのが印象的だった。


この本を読んで、宮本さんがその考えに至ったのも理解できた。

建築ではよく、周辺環境を読み込んで建築をつくるといった事が言われるが、

こんな環境の読み方があるのかと、衝撃的な内容だった。

都市を形成していく上で生まれる、環境ノイズ。

それは時として醜いものとされがちであるが、それがその場所の固有性を生み出しもしている。

それに気付くか気付かないかでは、大きな差がある。


そう考えれば、人間が創り出した都市には、どんな場所でも少なからず環境ノイズは発生しているのではないか。

それを読み取ることの出来る人間が、その場所に新たな概念を与え、また、元々あった固有性を再び呼び戻す事のできる建築を創れるのだろう。


そんな視点を持って、建築をしていきたいと思う。

2009年10月5日月曜日

森田一弥氏講演会

金曜の藤村さんに引き続き、土曜日は森田一弥さんの講演会がありました。

森田さんの噂は前々から聞いていて、学校の先生からも面白い人だという事は聞いていましたが、森田さんがどんな考え方で建築に関わっているのかは正直知りませんでした。

京都の静原で事務所をされている事もあり、自然が好きなのかな…?なんて浅はかな事を思ったりしていました。

レクチャーのタイトルは「マイノリティー・インターナショナル」

僕の事前のイメージとは全く違う印象。


内容はというと…

メチャクチャ刺激的で興味深い!!

世界中では使われていないけど、世界のどこかで使われるもの。

普遍性と固有性の両方を持つもの。

左官職人でもある森田さんならではの素材に対するアプローチの仕方も聴けて、ものすごく面白かった。

そして世界を視野に入れた考え方をされていました。


抽象性の高い建築があまりにも多すぎるし、建築家も抽象的に建築を語る事があまりにも多いように思う。
抽象性とは違う建築の方法はないのか?

などと最近考えていた僕は、「素材」が1つの手段となり得るかもと漠然と考えていました。


伝統的な技術、素材の使い方を発展させていく森田さんの方法は、ものすごい魅力的で可能性を感じました。


レクチャー後の懇親会では、スペインとかサッカーを建築に関連付けた話で盛り上がって、ますます森田さんに興味が湧きました。


しかも、とある海外の建築家の事務所に紹介してくれると言ってくれたり。。。

めちゃくちゃテンションが上がって、その場で「お願いします!」と言ったものの、

その事務所で働く事、海外であることは、本当に僕が建築でやりたい事に繋がっているのか?

よく考えると、いろんな疑問が涌き上がってきました。

そもそも自分の立ち位置さえ定まっていないわけですが。


これは、もう自分だけでは考えがまとまらないので、今週は色んな方に相談なりしてみようと思います。

しかし、そんな事務所で働く事や、海外で働く事を今までは考えもしてなかったので、そういう事を考える機会を与えて下さった事に感謝しています!

2009年10月4日日曜日

藤村龍至氏講演会

先日、学校で急遽藤村さんに講演をして頂けることになり、当然のごとく参加してきました。

先月のDESIGNEASTから、短い期間で2回も話を聞けたので、1回では気付かなかったことに気付けたり、疑問に感じていたことが解決したり、また新たに疑問が出来たりと、またもや刺激的な講演でした。


僕は前職で、いかに効率的で経済的で利益を上げる事を重視した建物を作ったり、街を作ったりする仕事に携わっていて、それに疑問を感じ退職し建築の道に進んだ。

そういう経験があるから、現代の日本の都市がどのように作られてきたのかを多少は知っているつもりです。

建築、街づくりは経済からは逃れられない。

でも、効率性や経済性にのみで魅力ある建築、街は作れない。

その矛盾のようなものを、どうすれば解決できるのかを考えてきました。


そういう視点で、藤村さんの話を聞いていると、ものすごく参考になる。

そして、自分の立ち位置を明確にし、社会に対して自分はどのように発信・提案していくのか?ということを考えることの重要性を確認。

建築の可能性をもっと探っていきたい。

まだまだ建築で社会に関わる方法はあるのではないか。

とにかくテンションは上がりました!!

2009年10月2日金曜日

Book 17


「集落の教え100」(原広司 著)

世界中の魅力ある集落を知る事ができます。

知っていた集落、初めて目にする集落、それぞれありましたが、その集落がなぜ魅力的なのかを知る事ができます。

と、いうよりも、これから集落、街、都市を形成していく上で、設計者・都市計画者として魅力的な街をつくるための考え方を知る事が出来たような気がします。

最近アノニマスな建築・街に興味がある僕にとっては参考になる一冊でした。


匿名性が建築を創りながらも、設計者としてその建築・街にどう関わっていくのか。

それを見つけ出すのが現在のテーマです。


様々な視点から思考・分析し、

自分の立ち位置を明確にしていきたいと思っています。