2009年10月7日水曜日

Book 18


「環境ノイズを読み、風景をつくる。」(宮本佳明 著)

先月のアーキフォーラムで宮本さんのレクチャーを聴いて、宮本さんの考えに興味を持った。

「基礎が建築となるような、土木と建築の間のような建築を考えている」

とおっしゃっていたのが印象的だった。


この本を読んで、宮本さんがその考えに至ったのも理解できた。

建築ではよく、周辺環境を読み込んで建築をつくるといった事が言われるが、

こんな環境の読み方があるのかと、衝撃的な内容だった。

都市を形成していく上で生まれる、環境ノイズ。

それは時として醜いものとされがちであるが、それがその場所の固有性を生み出しもしている。

それに気付くか気付かないかでは、大きな差がある。


そう考えれば、人間が創り出した都市には、どんな場所でも少なからず環境ノイズは発生しているのではないか。

それを読み取ることの出来る人間が、その場所に新たな概念を与え、また、元々あった固有性を再び呼び戻す事のできる建築を創れるのだろう。


そんな視点を持って、建築をしていきたいと思う。

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